『気になる東アジアの新しい高速鉄道』

  

小 山 和 薈


 2010年から2011年にかけて日本の高速鉄道は新たなときを迎えている。東北新幹線が八戸~新青森を10年12月に開業、九州新幹線が11年春に博多~新八代を開業し新大阪~鹿児島中央を結ぶ。
 韓国では高速鉄道KTXがソウル~釜山で運転開始し、中国では08年に北京~天津間で高速鉄道が開通、上海や広州、成都などの大都市を結ぶ鉄道網の建設が着々進んでいる。
 このように東アジアでは各国が高速鉄道の整備を急速に進めており、高速鉄道を活用した鉄道旅行がお薦めだ。そこで気になる高速鉄道がどうなっているのかみてみよう。

  1. 日本では本州・九州のそれぞれ先端に新幹線を延伸
     函館市では市長がJR北海道の代表、北海道知事を相手に北海道新幹線の札幌延伸に伴う、在来線函館~新函館間の経営分割移管の話し合いに入っているが市側の反発で難航しているほど北海道新幹線の整備状況も進捗しているようだ。JR北海道は、北海道新幹線開通による観光客増加に賭けているという。
     既に東北新幹線が八戸~新青森駅間に12月4日からの営業運転が決まった。東京~新青森駅間約675㌔㍍、現在鉄道で約4時間かかるが新幹線延伸後は3時間20分に短縮される。11年春には新型車両E5系『はやぶさ』(10両編成)が投入され、国内最高時速320㌔で3時間5分で行けるようになる。この『はやぶさ』にはグリーン車に加え、新幹線では初めてのファーストクラス「グランクラス」(1両)が導入される。グリーン車より高級な「グランクラス」は本革を使った座席数3列(片側1席)の広いシートで18席あり、沿線の食材を使った弁当なども用意されるという。(北海道新幹線の新青森~新函館は15年度末に完成を予定)
     一方、九州新幹線は博多~新八代間が11年春に開業し、新大阪~鹿児島中央駅間にN700系ベースの『さくら』が現行5時間10分を4時間で行けるようになる。
     日本列島南北に展開される高速鉄道の整備は、旅行客にとって鉄道を活用できる機会の増えることに期待される。


  2. 第2期区間の開業を迎える韓国高速鉄道
     2004年4月に第1期区間が開業している韓国の高速鉄道KTX京釜線ソウル~釜山間(409㌔,2時間40分)はフランス高速鉄道TGVシステム採用による車両が運行している。日本、フランス、ドイツからの激しい売り込みの結果、KTXはTGV-Rとユーロスターをベースに製造され、両端の電気機関車が中間の客車を挟んで牽引する18両で運行されているが、1日2往復のダイヤで意外に少ない。 3月には純国産の車両KTX-2が8両編成で登場し、料金が1等車の特室が6万7100ウォン、一般室が4万7900ウォンで週末には7%高くなる。予約が必要だ。現在第2期工事の大邱~釜山間の高速専用線が営業運転を開始すると、ソウル~釜山間が2時間18分に短縮される。 JR九州は九州新幹線と高速旅客船『ビートル』をKTXと組み、“日韓新幹線乗り比べツアー“を既に販売している。


  3. 営業運転最高速度380㌔/hを目指す中国高速鉄道
     中国では09年12月に武漢~広州北駅間で高速新線(989㌔)が350㌔運転で開業した。在来線で7時間半かかっていたのが高速新線のノンストップで走る2時間57分に短縮されたという。11年10月に開業の北京~上海駅間(1318㌔)で最高速度380㌔を目指している。
     上記の武広高速鉄道により中国は本格的な高速鉄道時代に入り、猛烈なスピードで国内の高速鉄道網の整備を目指している。
     2000年にJR九州の「日蘭修交300年記念」に企画されたオランダのデン・ハーグから中国の北京西駅までの鉄道による1万3000㌔の「オリエント・エキスプレス」旅行に参加し、オランダ人・日本人100人が中国最西部の国境の阿拉山口駅に中央アジアから入国したことを想い出す。中国では当時『西部大開発』を進めており、中国西部の鉄道インフラの整備には目を見張った。途中の駅で電気機関車が十連(重連ではない)で配車されるのを見たり、20数両の大編成の列車と何度もすれ違ったことから輸送量、移動速度などで「鉄路高速化」が求められていることを体感した。20年までに高速鉄道網の整備にかかっており、海外メーカーの技術を導入して車両生産も“自国製“で今や世界に売り込んでいる。「中国は07年に500億元も投入してフランス、ドイツから500両以上の機関車を購入した。その際、我々は技術の100%をわが国に供与しなければ買わないときっちり話をつけた。時速200㌔で走る欧州の機関車の技術を基礎にまったく新しい技術をつくりだしたのであって、いまは元を取ろうとしているだけだ」と中国関係者は語っている。(クウリエ10年9月号の”中国天下“より)

以上